動画で見るベトナム人エンジニアの日本語力(日本語能力試験N4~N3)
ベトナム人は日本語をどれぐらい話せるのか、不安に思われる採用担当者さま必見の動画集です。日本のベトナム人労働者数は増え続けており、大卒人材(ITや機械系エンジニアなど)をベトナム現地採用し、日本で雇用する動きも広がっています。この記事ではベトナムで育ち、ベトナム現地の短大や大学、大学院を卒業したエンジニアが、学習期間6カ月、日本語能力試験N4~N3レベルの日本語力でインタビューに答える動画をまとめてご紹介します。
日本語能力試験とNレベルとは?
日本語能力試験とは、「日本語を母語としない人の日本語能力を測定し認定する試験」です。略称はJLPTといい、1984年に誕生以来、35年以上の歴史があります。世界で最も受験者数の多い日本語の試験です。
最高レベルのN1から入門レベルのN5まで5レベルありますが、どのレベルにおいても試験形式は読解問題と聴解問題のマークシート方式で、会話力をチェックする設問はありません。
日本国内で企業に新卒採用される留学生の6割はN1保有者というデータもあり、採用基準として「N1」を指定している企業もあるようです。しかし、日本語能力試験はN1、N2といった高いレベルになると漢字の知識が多く問われ、非漢字圏出身者には不利であることも指摘されています。
日本に来るベトナム人エンジニアの平均的Nレベルは?
ベトナムで使用されている言語はベトナム語です。ベトナムはかつては漢字の影響を色濃く受けた漢字文化圏に属していましたが、現代のベトナム語は漢字表記を使わず、「チュクオックグ―」と呼ばれるアルファベットの一種を使って表記をします。このためベトナムはもはや漢字圏とはいえません。
中国、台湾などの東アジアにおける漢字圏の受験者に比べると、ベトナム人受験者は漢字の読み書きをゼロから学習し、覚えなくてはならないというハンデがあると言われます。
ベトナム人技術者は日本に来ることを志してから日本語を勉強し始める人が多いため、大学在学中または卒業後に日本語学習を始めて、日本語能力試験ではN4~N3が多いと考えてよいでしょう。
以下のグラフは日本語能力試験を受験するベトナム人の受験レベルの推移です。
日本語が話せるエンジニアを育てるこころみ
株式会社OneTerraceでは、日本企業さまにご紹介するベトナム人エンジニアに対して、独自の日本語教育を行っています。
理系トップクラスの上位校ダナン工科大学にて、日本就職を目指すエンジニア向けに集中日本語講座を提供しています(ホーチミン市でもDuytan大学ホーチミン分校内にて講座を開講)。
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- 日本語力と同時に日本のビジネスマナーを習得
- 日本語ネイティブによる会話トレーニングを重視
これらの取り組みによって、面接での受け答えや、日本で就業するときもスムーズな日本語コミュニケーションが可能となっています。また、就業後もオンラインの日本語教育をご提供しておりますので、現場で必要となる専門用語を中心とした個別カリキュラムで一人ひとりの日本語力を伸ばしていくことが可能です。
動画で見るベトナム人エンジニアの日本語力
ここから実際に、ベトナム人エンジニアの日本語レベルを動画で見て頂ければと思います。動画は3本あり、すべて日本語でのインタビューです。1本目は面接時の自己アピール、2本目は日本で働きたいベトナムの仲間へのアドバイス、3本目は日本で就業した感想です。
ダナン工科大学機械学部卒 ベトナム人エンジニア3名によるインタビュー(日本語学習期間6カ月/N4)
ダナン工科大学の機械学部を卒業した、新卒のベトナム人エンジニア3名による日本語の自己PR動画です。日本語学習期間は6カ月で、撮影時に日本語能力試験(JLPT)N4レベルを取得しています。日本語の会話クラスをたくさん受講しているため、会話レベルは通常のN4よりもやや高いと考えてください。
(以下、動画書き起こし)
ベトナム人エンジニア(機械設計/制御設計)入社後インタビュー
長野県で勤務しているベトナム人の新入社員2名によるインタビューです。大阪府に本社を置く、産業機械の制御システムおよびテンション計測器の製造販売企業さまにエンジニア(機械設計/制御設計)として採用されました。後半は日本で働きたいベトナムの仲間へのアドバイスです。
(以下、動画書き起こし)


ベトナム人エンジニア(PLC制御設計)入社後インタビュー
埼玉県にある自動制御・無線制御装置の開発・製作を行う企業さまに、PLC制御設計エンジニアとして採用されたベトナム人エンジニアのインタビューです。
2019年3月にベトナム現地面接会で内定をいただいた当初はN4~N3レベルでしたが、在留資格申請期間、独学で日本語を勉強、7月に入社となりました。同年11月にインタビューを受けた時点では入社4カ月目です。
(以下、動画書き起こし)







採用では人柄と熱意を重視する企業が多い
ベトナムと日本の経済的なつながりが深まっている現在、ベトナム政府は日本語教育に力を入れ始めています。2003年には義務教育(中学校)における第一外国語として日本語を選択することも可能となりました。日本語教育の受けられる中学校はここ10年で増加しており、小学校への導入も2016年に5校で始まりました。
しかし、こういった日本語の英才教育ともいうべき教育システムが成果を出し始めるのは、かなり先のことです。現時点で20代~30代前半のベトナム人エンジニアはN3~N4レベルで来日をし、仕事をしながら日本語の勉強を続けているのが現状です。このため、採用においては職務に必要な能力や人柄、日本企業で学びたいという熱意を重視して採用する企業さまがほとんどです。

ハイ(株式会社One Terrace 日本支社 スタッフ)
ベトナムのホーチミン市出身、2012年9月に来日。人材紹介コンサルタントとして日本で勤めている。ベトナムや世界各国の優秀な人材に日本の良い職場を紹介し、いいキャリアをスタートしてもらい、日本の高度人材不足も解決して社会貢献したい、という夢を持つ。趣味はサッカー。通称ハイさん。
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